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論文

Evolution of porewater in a Neogene sedimentary formation in the Horonobe area, Hokkaido, Japan: Modeling of burial diagenesis

宮川 和也; 柏谷 公希*; 小村 悠人*; 中田 弘太郎*

Geochemical Journal, 57(5), p.155 - 175, 2023/00

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Geochemistry & Geophysics)

厚い海成堆積層の深部には、地層の堆積時に取り込まれた海水が埋没続成過程で変質したと考えられる地下水(化石海水)が存在することがあり、このような場は、地層の隆起・侵食を経ても天水浸透の影響を受けず、地下水流動が緩慢であると判断される。続成過程ではケイ酸塩からの脱水などにより間隙水の塩濃度の低下などの変化が生じる。しかしながら、鉱物からの脱水反応のみでは水質変化を定量的に説明できず、水質進化の過程が明らかではない。本研究では、埋没過程におけるケイ酸塩からの脱水反応および圧密による間隙水の上方移動を考慮した解析モデルを構築し、埋没過程で生じ得る間隙水の水質進化について検討した。その結果、オパールAから石英に至る脱水反応の影響及び粘度鉱物からの脱水影響を強く受けた水質は、ボーリング調査による観測結果と近い値を示した。本解析結果は、地層の埋没続成過程において形成された化石海水の水質が地層の隆起以降現在まで保存されている可能性を示唆するものであり、化石海水が存在する場の地下水流動が緩慢であることを強く支持するものである。

論文

Characteristics in trace elements compositions of tephras (B-Tm and To-a) for identification tools

奈良 郁子*; 横山 立憲; 山崎 慎一*; 南 雅代*; 淺原 良浩*; 渡邊 隆広; 山田 和芳*; 土屋 範芳*; 安田 喜憲*

Geochemical Journal, 55(3), p.117 - 133, 2021/00

 被引用回数:6 パーセンタイル:57.32(Geochemistry & Geophysics)

白頭山噴火年代は西暦946年であることが広く認められている。噴火で分散した白頭山-苫小牧(B-Tm)テフラは、精確な年代を示す鍵層となる。従来は、このテフラを同定するため、火山ガラス片の屈折率と主成分元素組成が使われていた。しかし、希土類元素に着目した微量元素分析やテフラ層の全堆積物に対する微量元素分析はこれまでほとんど報告例がない。本論文では、東北地方の小河原湖の堆積物コアから採取したB-Tmテフラ及び十和田カルデラ(To-a)テフラについて、火山ガラス片と全堆積物の主要元素及び微量元素分析結果を示す。主要元素及び微量元素の深度プロファイルでは、B-Tmテフラ層においてK$$_{2}$$Oと微量元素の増加が確認されたが、To-aテフラ層においては、これらの元素の増加は確認されなかった。B-Tmテフラ層で検出された高濃度の微量元素は全堆積物だけではなく、ガラス片にも確認された。B-Tmテフラ層のガラス片にみられる元素(特に希土類元素)の組成パターンは、他の日本のテフラガラスとは明らかに異なる。ガラス片と全堆積物の微量元素組成は、B-Tmテフラと他の日本のテフラを区別する上で、有用な指標となると考えられる。

論文

Geochemical characteristics of paleotsunami deposits from the Shizuoka plain on the Pacific coast of middle Japan

渡邊 隆広; 土屋 範芳*; 北村 晃寿*; 山崎 慎一*; 奈良 郁子*

Geochemical Journal, 55(6), p.325 - 340, 2021/00

 被引用回数:3 パーセンタイル:32.31(Geochemistry & Geophysics)

過去の津波浸水域に関する情報は、今後の防災や減災計画の基礎データとして利用されることが期待されている。しかし、津波堆積物を用いて過去の津波浸水域を復元するにあたり、津波堆積物の供給源の推定、洪水や高潮堆積物との区別等が現状で解決すべき課題となっている。これらの問題を解決する一つの手段として、津波堆積物の地球化学判別手法が有効と考えられるが、国内では東北地方以外での適用例は限られている。特に中部地方太平洋沿岸でのデータはこれまでに得られていない。したがって、本研究では既に採取されている静岡平野の津波堆積物の化学分析を実施し、津波堆積物の判別手法の改良を試みた。分析の結果、ナトリウムとチタンとの相対比およびクラスター分析等の統計解析を用いることによって海由来の物質で形成された堆積層を検出できる可能性が高いことが示唆された。

論文

Preliminary report on small-mass graphitization for radiocarbon dating using EA-AGE3 at JAEA-AMS-TONO

渡邊 隆広; 藤田 奈津子; 松原 章浩; 三宅 正恭*; 西尾 智博*; 石坂 千佳; 國分 陽子

Geochemical Journal, 55(4), p.277 - 281, 2021/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:21.91(Geochemistry & Geophysics)

地質試料の放射性炭素年代測定等において加速器質量分析法(AMS)は広く使用されている。しかし、年代測定に必要となる堆積層中の植物片等の試料量は限られており、微少量での年代測定手法の開発が重要である。日本原子力研究開発機構東濃地科学センターのJAEA-AMS-TONOでは、試料前処理用の自動グラファイト調製装置(IonPlus社製AGE3: Automated Graphitization Equipment 3)を導入し、既存の元素分析装置(Elementar社製EA: Elemental Analyzer)と接続することで、EA-AGE3として使用し、装置の最適化とともに放射性炭素年代測定の前処理手法の改善を継続して進めている。本研究では、炭素量0.1mgから0.05mgでの微少量試料の放射性炭素年代測定を目的として、EA-AGE3装置を用いた試料前処理手法の最適条件を検討した。分析条件の検討として、試料前処理に使用する銀箔のベーキングによる炭素汚染の減少と反応触媒となる鉄粉量の調整を実施した。分析条件の最適化をした後に、放射性炭素年代測定の国際標準物質として使用されているNIST-SRM4990C, IAEA-C1, C4, C5, C7等の放射性炭素濃度測定を実施した。得られた結果は、標準試料の放射性炭素濃度の合意値と概ね$$pm$$2$$sigma$$の範囲で一致した。したがって、本手法による少量試料での年代測定が可能であることが示された。

論文

Application of M$$_{V}$$-edge XANES to determination of U oxidation state in zircon

田中 万也; 高橋 嘉夫*

Geochemical Journal, 53(5), p.329 - 331, 2019/00

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Geochemistry & Geophysics)

本研究では放射線量の異なる天然ジルコン3試料のウランM$$_{V}$$吸収端及びL$$_{III}$$吸収端XANESスペクトルの測定を行った。最も線量が高いジルコン試料中では、M$$_{V}$$吸収端及びL$$_{III}$$吸収端ともにウランが四価であることを示す結果が得られた。残りの2試料は五価ウランの存在の可能性を残しつつも、四価と六価のウランが共存していることが示唆された。本研究は、ウランM$$_{V}$$吸収端XANESを天然試料に適用した初めての論文である。

論文

U-Pb dating of calcite using LA-ICP-MS; Instrumental setup for non-matrix-matched age dating and determination of analytical areas using elemental imaging

横山 立憲; 木村 純一*; 三ツ口 丈裕; 檀原 徹*; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 岩野 英樹*; 丸山 誠史*; Chang, Q.*; 宮崎 隆*; et al.

Geochemical Journal, 52(6), p.531 - 540, 2018/12

 被引用回数:17 パーセンタイル:65.79(Geochemistry & Geophysics)

We developed a non-matrix matched U-Pb dating method for calcite by using LA-ICP-MS. The excimer LA was set to generate a low-aspect-ratio crater to minimize downhole U-Pb fractionation. We used He sample ablation gas mixed with Ar carrier gas and additional trace N$$_{2}$$ gas to create a robust plasma setup. The use of N$$_{2}$$ additional gas allowed for low oxide molecular yield for high-sensitivity interface cones with the ICP shield electrode disconnected. Moreover, this resulted in robust ICP plasma against different matrixes in LA aerosols owing to efficient dissociation-ionization of the aerosols by increased plasma temperature. The above setup helped accomplish accurate U-Pb dating of calcite samples by using SRM 612 glass as the standard. We applied this method to the following calcite samples: (1) recently-proposed reference material named WC-1 with a determined U-Pb age of 254.6$$pm$$3.2 Ma and (2) a well-preserved fossil specimen of blastoid $$Pentremites$$ sp. with an estimated age of $$sim$$339-318 Ma. The resultant U-Pb ages of the WC-1 and $$Pentremites$$ samples were 260.0$$pm$$6.7 Ma and 332$$pm$$12 Ma, respectively, which indicate accurate U-Pb dating by this method. Before this U-Pb dating, quantitative distribution maps of the U, Th, and Pb isotopes of each sample were obtained using the LA-ICP-MS imaging technique to select suitable areas for dating.

論文

Characterization of mineralogical controls on ammonium concentrations in deep groundwaters of the Horonobe area, Hokkaido

笹本 広; 佐藤 久夫*; Arthur, R. C.*

Journal of Geochemical Exploration, 188, p.318 - 325, 2018/05

 被引用回数:3 パーセンタイル:16.65(Geochemistry & Geophysics)

アンモニウムイオンは、還元条件下における深部地下水において重要な成分である。地層中でのセシウムの収着による遅延は、高レベル放射性廃棄物の長期安全性を確保する上で重要な役割を果たす。しかしながら、セシウムの収着は、地下水中に溶存するアンモニウムイオンの様な陽イオンによる収着競合の影響を受ける可能性がある。本研究では、日本における地下水の一例として、幌延で得られた地下水データを対象に、深部地下水におけるアンモニウムイオンの濃度を支配する反応を推定した。鉱物学的調査、地下水データを用いた熱力学的評価および電子線マイクロアナライザを用いた鉱物表面での窒素(N)分布調査により、地下水中のアンモニウムイオンは、カリウム(K)を含む粘土鉱物であるスメクタイト,イライト,イライト/スメクタイト混合層のカリウムと地下水中のアンモニウムイオンのイオン交換反応により濃度が支配されている可能性が示唆された。また、日本における地下水データセットからスクリーニングされた信頼性の高いデータと比較すると、幌延の地下水中のアンモニウムイオン濃度は、ガス田や油田地域の地下水に類似していることも明らかになった。

論文

Factors controlling $$^{134}$$Cs activity concentrations in sediment collected off the coast of Fukushima Prefecture in 2013-2015

福田 美保*; 青野 辰雄*; 山崎 慎之介*; 石丸 隆*; 神田 譲太*; 西川 淳*; 乙坂 重嘉

Geochemical Journal, 52(2), p.201 - 209, 2018/00

 被引用回数:3 パーセンタイル:16.65(Geochemistry & Geophysics)

福島県沿岸における海底堆積物中の放射性セシウムの最近の挙動を明らかにするため、2013年から2015年にかけて、同海域の12観測点において堆積物中の放射性セシウムの水平、鉛直分布を調査した。表層堆積物(0-3cm)では、水深100m付近の観測点で比較的高い$$^{134}$$Cs濃度が観測された。これらの観測点では粒径が小さく、有機物を多く含む堆積物が支配的であったことから、堆積物表層における$$^{134}$$Cs分布は、堆積物粒子の移動性を反映すると推測された。福島第一原子力発電所東方の一部の観測点では、2014年の観測において、中層(5-16cm層)に高い$$^{134}$$Cs濃度が見られた。この比較的高い$$^{134}$$Cs濃度は、堆積物の粒径との間に有意な関係は示さなかった。また、このような$$^{134}$$Csの局所的な分布は、2015年には見られなかった。上記の結果から、堆積物中の$$^{134}$$Csの分布は、表層付近での堆積物粒子の水平輸送ばかりでなく、中層にかけての鉛直混合によって決定づけられていることがわかった。

論文

Mineralogical control of the size distribution of stable Cs and radiocesium in riverbed sediments

田中 万也; 渡邊 直子*; 山崎 信哉*; 坂口 綾*; Fan, Q.*; 高橋 嘉夫*

Geochemical Journal, 52(2), p.173 - 185, 2018/00

 被引用回数:9 パーセンタイル:43.3(Geochemistry & Geophysics)

福島県の山木屋(川俣町)と黒岩(福島市)において河川堆積物を採取し、粒径別の化学組成及び鉱物組成の分析を行った。セシウムを含むアルカリ元素の粒径分布は鉱物組成をよく反映していた。山木屋地点では$$^{133}$$Csと$$^{137}$$Csが同様の粒径分布を示し、シルト画分から砂画分にかけて濃度が低下した。シルト画分ではセシウムが粘土鉱物に固定されているものと考えられる。一方、黒岩地点では細粒砂・中粒砂画分において$$^{133}$$Csと$$^{137}$$Csの濃度が最も低く、粗粒砂・極粗粒砂画分において高い濃度を示した。これらの粗粒砂画分には風化黒雲母の粒子が肉眼で観察されており、こうした風化黒雲母にセシウムが固定されていると考えられる。山木屋と黒岩は対照的な結果を示したが、それぞれ地点において安定及び放射性セシウムの粒径分布が鉱物組成をよく反映していることが示された。

論文

Estimation of desorption ratios of radio/stable caesium from environmental samples (aerosols and soils) leached with seawater, diluted seawater and ultrapure water

坂口 綾*; 千賀 晴香*; 田中 万也; 鶴田 治雄*; 高橋 嘉夫*

Geochemical Journal, 52(2), p.187 - 199, 2018/00

 被引用回数:7 パーセンタイル:35.55(Geochemistry & Geophysics)

2011年3月15日に川崎市で採取したエアロゾル試料を海水を用いてリーチング実験を行った。その結果、30日間で$$^{137}$$Csの60%が試料から溶出した。また、福島原子力発電所事故の2か月後に川俣町で採取した土壌試料を海水,超純水及び希釈海水(海水:超純水=1:1)でそれぞれリーチング実験を行った。223日間のリーチング実験の結果、海水では15%を超える$$^{137}$$Csの溶出率であったが、希釈海水では9%に低下した。超純水では溶出率が1%以下と非常に低い値であった。$$^{133}$$Csは全体の傾向として$$^{137}$$Csと同様の溶出挙動を示した。

論文

Discovery of radiocesium-bearing microparticles in river water and their influence on the solid-water distribution coefficient ($$K_{rm d}$$) of radiocesium in the Kuchibuto River in Fukushima

三浦 輝*; 栗原 雄一*; 坂口 綾*; 田中 万也; 山口 紀子*; 桧垣 正吾*; 高橋 嘉夫*

Geochemical Journal, 52(2), p.145 - 154, 2018/00

 被引用回数:48 パーセンタイル:93.68(Geochemistry & Geophysics)

福島の河川の浮遊懸濁粒子中には放射性セシウムを特に高濃度に含む微粒子(CsMPs)が含まれている可能性がある。CsMPsは一粒で高い放射能をもつため、こうした微粒子の有無により河川における放射性セシウム固液分配係数を見かけ上大きく上昇させる可能性がある。そこで本研究では、福島県の河川で採取した浮遊懸濁粒子中からCsMPsを分離して、懸濁粒子全体の放射性セシウムへの寄与率を見積もった。その結果、CsMPsの寄与率は0から46%であり見かけの分配係数を桁レベルで上昇させるほどではないことが明らかとなった。

論文

Analysis of two forms of radioactive particles emitted during the early stages of the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Station accident

佐藤 志彦; 末木 啓介*; 笹 公和*; 吉川 英樹; 中間 茂雄; 箕輪 はるか*; 阿部 善也*; 中井 泉*; 小野 貴大*; 足立 光司*; et al.

Geochemical Journal, 52(2), p.137 - 143, 2018/00

 被引用回数:68 パーセンタイル:97.15(Geochemistry & Geophysics)

Two types of radioactive particles have been isolated from environmental samples collected at various distances from the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Station. "Type A" particles are 2-10 $$mu$$m in diameter and display characteristic Cs X-ray emissions when analysed by energy-dispersive X-ray spectrometry (EDS). "Type B" particles are considerably larger, up to 400 $$mu$$m in diameter, with Cs concentrations too low to be detectable by EDS. These larger particles were isolated from the region to the north of the nuclear reactor site, which was contaminated on March 12, 2011. The specific activity of Type B particles is much lower than Type A, and the mean $$^{134}$$Cs$$/^{137}$$Cs ratios are $$sim$$0.93 and 1.04, respectively. The Type B ratio indicates power station Unit 1 as the source, implying that these larger radioactive particles were discharged on March 12. This study found that different type of radioactive particle was released not only on March 15 but also on March 12.

論文

Discovery of ion-adsorption type deposits of rare earth elements (REE) in Southwest Japan with speciation of REE by extended X-ray absorption fine structure spectroscopy

山口 瑛子*; 本多 翼*; 田中 雅人*; 田中 万也; 高橋 嘉夫*

Geochemical Journal, 52(5), p.415 - 425, 2018/00

 被引用回数:18 パーセンタイル:61.41(Geochemistry & Geophysics)

風化花崗岩中にみられるイオン吸着型鉱床は重要な希土類元素資源として知られている。しかし、日本においてはこうしたイオン吸着型鉱床の存在の有無はほとんど調査されてこなかった。そこで本研究では広島県と島根県において風化花崗岩試料を採取し、希土類元素の分析を行った。その結果、中国でみられるイオン吸着型鉱床と同程度の希土類元素を含むことが分かった。EXAFSスペクトルを測定した結果、塩化アンモニウム水溶液により抽出される交換性の希土類元素は外圏型錯体として吸着していることが明らかとなった。一方、抽出されなかった画分は内圏型錯体を形成していた。

論文

Abundances of rare earth elements in crude oils and their partitions in water

中田 亮一*; 高橋 嘉夫*; Zheng, G.*; 山本 祐平; 清水 洋*

Geochemical Journal, 44(5), p.411 - 418, 2010/10

 被引用回数:27 パーセンタイル:58.17(Geochemistry & Geophysics)

中国、新彊ウイグル自治区の泥火山より採取した原油及び共存する水の中の希土類元素の存在度を世界で初めて報告した。原油は軽希土類元素に富み、重希土類元素に枯渇した相対存在度パターンを示した。原油中の希土類元素濃度は共存水より百倍高かった。原油の疎水性と希土類元素イオンの性質を考慮すると、原油中の希土類元素は錯体として存在していると考えられる。$$^{13}$$C-NMRの分析によると、原油中にはフェノール基とカルボキシル基が含まれており、希土類元素はそれらの官能基に錯生成していると考えられる。原油中の希土類元素の相対存在度パターンは泥火山中の泥のパターンと類似しており、原油中の希土類元素は原油が発生した岩石もしくは堆積物から供給されたと考えられる。

論文

Iridium concentration and noble gas composition of Cretaceous-Tertiary boundary clay from Stevns Klint, Denmark

大澤 崇人; 初川 雄一; 長尾 敬介*; 小泉 光生; 大島 真澄; 藤 暢輔; 木村 敦; 古高 和禎

Geochemical Journal, 43(6), p.415 - 422, 2009/00

 被引用回数:4 パーセンタイル:16.49(Geochemistry & Geophysics)

デンマーク・スティーブンスクリントのK-T境界地層中のイリジウム濃度と希ガス組成を分析した。8試料中5試料に対して高いイリジウム濃度が確認された。希ガス分析を4試料に対して行ったところ、地球外起源のアルゴン,クリプトン,キセノンは確認されなかった。一方ほぼすべての$$^{3}$$Heは地球外起源であった。ネオンに関しては1試料にのみ太陽型のネオンが確認され、宇宙塵の存在を示していた。しかし宇宙塵が隕石衝突そのものとどのような関係性があるのかはよくわからなかった。

論文

Partition coefficients of Ra and Ba in calcite

吉田 泰*; 吉川 英樹; 中西 孝*

Geochemical Journal, 42(3), p.295 - 304, 2008/00

 被引用回数:15 パーセンタイル:37.78(Geochemistry & Geophysics)

Ra及びBaについて方解石に対する元素分配比を取得した。平衡状態での元素分配比をフリードリフト法により測定した。実験の結果、沈殿速度は極めて遅く、また、pHの値より、飽和状態は極めて低いことが示された。実験の結果、元素分配比はRa及びBaについて0.0094及び0.0047となった。Raについては、Baと同程度の値となり、共沈反応におけるBaとRaでの化学的類似性が認められた。また、BaとRaの元素分配比は同程度の値となり、取り込み傾向にイオン半径の依存性がないことが示された。方解石の沈殿速度の評価を行った結果、本実験での沈殿速度が遅く、本実験で得られた元素分配比は平衡状態でのRa及びBaの溶液及び固相中の分配を示すものであると考えられる。

論文

Natural attenuation of antimony in mine drainage water

間中 光雄*; 柳瀬 信之; 佐藤 努*; 福士 圭介*

Geochemical Journal, 41(1), p.17 - 27, 2007/00

 被引用回数:29 パーセンタイル:56.2(Geochemistry & Geophysics)

廃鉱山の廃水中アンチモンの自然浄化を研究した。鉱山から採取した廃水,ずり,沈殿物を鉱物学及び化学の観点から調べた。廃水の化学的性質を、現場においてはpH, ORP, EC測定で、また、実験室でのICP-MSとイオンクロマト測定により調べた。それらの結果から、ずり中のスティブナイトとアンチモン二次鉱物の溶解により生じたSbは、廃水中に絶えず生じる鉄沈殿物、特にシュベルトマナイトにより自然浄化されることがわかった。沈殿へのSb吸着のみかけの分配係数(Kd)は少なくとも10$$^{5}$$L/kgであった。

論文

Rare earth element distribution in the acetic acid soluble fraction of combusted coals; Its implication as a proxy for the original coal-forming plants

Fu, F.; 赤木 右*; 鈴木 祐一郎*; 渡部 和男; 矢吹 貞代*

Geochemical Journal, 38(4), p.333 - 343, 2004/08

 被引用回数:9 パーセンタイル:20.33(Geochemistry & Geophysics)

日本の石狩炭鉱の石炭と太平洋炭鉱の石炭,インドネシアの熱帯性石炭及びオーストラリアのボッグヘッド石炭試料を炭素成分と鉱物成分に分け、それぞれに含まれる微量希土類元素をICP-MSで精密に分析したところ、石炭の非鉱物成分中の希土類元素パターンは植物の特徴を明確に有することがわかった。さらにセリウムアノーマリとパターンの傾斜に注目すると、三種類の異なる希土類元素パターンに分類されることがわかった。現在までにわれわれが測定した各種植物の希土類元素組成と比較したところ、樹木と類似するもの,湿原植物と類似するもの及び藻類に類似するものであった。ボッグヘッド石炭において石炭のマセラルの観察結果は藻類起源であることがわかっているため、各々の試料における非鉱物成分の希土類元素組成の変化は、希土類元素組成の類似する植物に由来していることを示している。希土類元素の組成で石炭の起源植物を同定するのはこれは初めての試みである。

論文

Geostatistical and Geochemical Classification of Groundwaters Considered in Safety Assessment of a Deep Geologic Repository for High-Level Radioactive Wastes in Japan

油井 三和; 笹本 広; Arthur, R. C,*

Geochemical Journal, 38(1), p.33 - 42, 2004/00

 被引用回数:10 パーセンタイル:21.97(Geochemistry & Geophysics)

高レベル放射性廃棄物地層処分システムの性能評価で必要となる地下水化学モデル構築に関して、我国地下水水質データベースに基づく水質の傾向性、5種類の地下水水質への分類、地下水水質形成に関するモデリング、解析結果、代表的地下水水質の選択及び課題について報告、議論した。

論文

SHRIMP measurements of U and Pb isotopes in the Koongarra secondary ore deposit, northern Australia

永野 哲志; 佐藤 努*; Williams, I. S.*; Zaw, M.*; Payne, T. E.*; Airey, P. L.*; 柳瀬 信之; 磯部 博志*; 大貫 敏彦

Geochemical Journal, 34(5), p.349 - 358, 2000/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:13.58(Geochemistry & Geophysics)

オーストラリア・クンガラウラン鉱床において、ウランは一次鉱床から地下水によって流され風化生成物である鉄鉱物に濃集し二次鉱床を形成している。本報では、二次鉱床中におけるウランの挙動についてのタイムスケールを得ることを目的として行った、高感度・高分解能イオンマイクロプローブ(SHRIMPII)によるウラン系列核種の放射能比測定の結果を報告した。鉄鉱物のうち、非晶質相からは1よりやや大きい値が、また結晶質相からはほぼ1に近い値が得られ、もし鉄鉱物が結晶化の過程で閉じていたとすれば、ウランが保持されてから少なくとも数百万年程度の年月が経過したことになる。一方、ウランに比べて動きにくい鉛の同位体比について分析したところ、二次鉱床内に存在する放射起源鉛には、風化が起こる前に一次鉱床から流れてきたものと、風化とともに流れ始めたが未だ一次鉱床近辺にとどまっているものがあることがわかった。

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